あの頃、私にとってラジオは一番貴重なコンテンツだった

今週のお題「ラジオ」


お題を見て、私が若かりし頃、所謂「あにめおたく」…というより「声優おたく」だった頃を思い出しましたので。
私がこのようなオタクだったのは、25年ぐらい昔です。当時家にインターネットなんかなく、テレビが最たる情報源だった時代。
田舎(福島)に住んでいたので、テレビ東京でやるような、ちょっとマニアックなアニメは見ることができず、月刊のアニメ雑誌(テレビ以外の貴重な情報源)を見ながらいいなぁと思ったり、どうしても見たいってなったら、TSUTAYAに行って、リアタイ視聴より何週も遅れてるけど、東京のアニメのビデオをレンタルして視聴したり。それからどうしても欲しいグッズはFAXで通販していました。
頑張れば触れたいコンテンツには割と触れられたけど、その中でもなかなかの難問が1つありました。
それは、声優のラジオ番組を聴くことです。


今はどうかわからないけど、昔はこの声優が出演するラジオ番組が、何時からどの局で放送される、みたいな情報がまとまっているコーナーがありました。
よく考えたら当たり前なのですが、福島にいながら他の都道府県(しかも隣県でもない)の局のラジオを聴くなんて、なかなかできませんでした。どんなに粘っても雑音しか聞こえず、番組が終了する時間になるなんてザラです。時には地元のラジオ局と他県の聴きたいラジオ局の周波数が全く一緒で、どう足掻いても不可能な場合もありました。
しかし、雑音混じりですが、時々聴こえる日がありました。そういう日は本当に嬉しくて、聴けた喜び、そして明日も明後日も繰り返し楽しい時間を味わうために、テープやMDに番組を録音して、何度も聴き返したりしていました。今の言葉で言う「推し」の声、それも「演じていない話し声」は貴重だったからな。それを余さずつかまえるために録音するわけですよ。
その執念はどこから来たんだろうと、今振り返っても思いますが(爆)私にとっては貴重な「好き」に触れられる瞬間だったからな。


今はアニメや声優界隈から離れてしまったので状況はわかりませんが、今なら多分、ネットで自由に、何度でも聴けたりするよね。いい時代になったものだ。
とはいえ、不自由な時代に自分の「好き」を満たすために必死になって一喜一憂していた時代も、そんなに悪い気はしないな。
今は別の趣味で、日本各地に足を運んだりしているけど、その原点はこの頃の、自分の「好き」を満たすために必死になって活動していたのが下地にあるのかもしれない。必死に頑張れば、多少なりとも「好き」にありつけるって学習したから。