2022年4月16日 倉敷観光:大原美術館

遠征する時は、いつもホテル周辺の地図を見て、この辺にコンビニあるなーとか、ここで飯食おうとか確認して、滞在中の生活をシミュレーションしています。
倉敷は特に初めての遠征の地なので、普段よりかしっかり地図を眺めていたんです。
そこで気づいてしまいました。自分の宿泊するホテルの割と近くに、大原美術館が存在することに。


大原美術館―――大学生だったのはもう遥か昔のことなので、もう記憶があやふやになっていますが、そこで学芸員のお勉強をしている時に何となく、この美術館の名前を聞いたような覚えがあって、いつか行ってみたいとぼんやり考えていました。
で、何で私が大原美術館のことを記憶の片隅に留めていたのか。それは工芸・東洋館の展示の説明を読んでいた時にようやく思い出しました。
えっとね……もう随分昔のことなので、あやふやなままざっくりと説明しますが、とある大学の敷地内に芹沢銈介美術工芸館ってのがありまして(ググれば一発でどの大学かわかるけど、まぁいいや)、それに関連して、その大学では美術や学芸員の勉強をするにあたって、その中の1テーマとして、授業で芹沢先生が携わった歴史の一端に触れられたことがあったと記憶しています。考古学とか民俗学とかの授業も取ってたので、どれが何だったかまではさすがに覚えていないですが……ちなみにこの辺の授業って、詳しい仕組みはわかりませんが多分聴講OKなんだと思いますが、時々年配の方も授業受けに来てましたね。
で、その中で民芸運動の話もされたのだと思います。
ja.wikipedia.org
工芸・東洋館の説明の中で、この民芸運動について説明している(と思う)箇所があったんですが、柳宗悦棟方志功……聞いたことある、授業で聞いたことあるぞ!と思い出していました。意外と真面目に授業聞いてたみたいですね(爆)
そんななので、大原美術館を覚えていて、今回無意識にも近くに来ていたと分かり、行かなければという使命感に襲われたのです。倉敷は気軽に行けるところじゃないし(さすがに新幹線3時間以上は遠かったな…)来年以降行くかわからないし、もしかしたらこれで最後かもしれないからね。非常に良かったので、また行きたいけど…


大原美術館は朝9時開館なので、ほぼそれと同時に入れるように向かったのですが、もう既に何人かお客さんが入ってましたね。やはりガチ勢は違うね。土日となると大原美術館自体もそうだと思いますが、そもそも美観地区が結構混むので、のんびり見たければ開館と同時に行くのがいいと思います。あ、東京の美術館だと、最近は前売り券や事前予約が必要だったりするところもありますが、大原美術館は普段通り当日券を買って入ることができました。

分館は改装中とのことで開いてませんでした。
展示内容は素晴らしい。素晴らしいの一言に尽きる。いや、美術に関しては勉強したことがあるとはいえほぼニワカなので、あんまり語れないです…こういうのは自分の目で見たほうが早いです。
大原美術館の目玉というか、他の人に話しても割と通じそうな作品って、モネの『睡蓮』とか、エル・グレコの『受胎告知』なのかな?「教科書で見たやつだ!」って感動しますが(我ながらなんて浅い感想なんだ…)、私は児島虎次郎の作品が本当によかったと思いました。名前もあんまり知らなかったし、此処に来たきっかけにも掠っていないけど…今のうちにこの方の作品を知れてよかった。ポストカードも買いました。あ、いつも「この作品が良かった」ってのを記憶するのに、ポストカードとかマグネットとかをお土産に買っていったりしてます。

朝顔』という作品です。これほんとすき。ちなみにマグネットになっているのは一番右の子だけでした。この作品は3つで1つみたいな感じに思えたので、残り2つのマグネットも欲しかったなーと思いました。個人的には、マグネットのほうが「気軽に日常に作品を飾れる」って感じがして好きなのです。
ポストカードといえば、大原美術館は敷地の外にもミュージアムショップがあるんですが、品数は敷地の外のショップのほうが多いけど、ポストカードは敷地内のショップでしか取り扱いされていないものもあるので注意。っていうか公式の説明にあったね。また人の話を聞かない弊害が出てしまったね。
www.ohara.or.jp
なので『聖ジャンの祭火』のポストカードを買い逃してしまったよ。この絵もとても美しかった。もしかしたらミュージアムショップにだけ入るなら再入場アリだったのかな……チキンだったのでできなかった(爆)


あとは…個人的に芹沢先生といえば、あの風の字だと思うんですが、あれってグッズでしか見たことがなくて(確か美術工芸館にはなかったはず…)、本物を見て感動しました。本物だ!って。また浅い感想ですね…
大原美術館の芹沢作品は、装幀作品と染色作品が半々ぐらい。美術工芸館経験済みなせいか、もっと染色作品が見たかったな、と思いました。
芹沢先生の作品見てたら、静岡の美術館にも行きたくなっちゃったよ……こないだの静岡遠征の時、実は近くまで来ていたようだったので、行こうと思えば行けたんですよね。行けばよかったなぁ。


いやー、やっぱり現物を見ると違いますね。最近はオンラインでの鑑賞システムを取り入れている美術館もありますが、それはそれで勿論良いことなんだけど、やっぱり現物を見るのとは違うかも。絵のタッチや画材の感じは現物じゃないと分からないところもあると思うのですが、単にモノを見るだけじゃなく、そのモノの質感までも見て感じることで、考えることが増えるというか、情報が多い分脳がより動くというか、そういう感じがします。
仕事と野球が忙しくて、なかなか美術館界隈に行く体力がなかったのですが、もうちょっと頑張って行けるようにしようと思いました。
IT社畜が美術鑑賞をして、何?って思われるかもしれませんが、大学で勉強したことを全く生かせていない身ですが(爆)たまには普段触れないものに触れて、脳を色んな方向に動かさないとね。


にしても、今回は棟方志功作品が結構刺さったので、もっと見たいなぁと思っています。でも棟方志功記念館は青森にあるらしくて、結構ハードルが高いんですよね…青森にはあまり用事がないし、東北出身の身ですが、それでも青森はかなり遠く感じます…主に岩手のせい(爆)
で、どこか関東界隈で行けそうなところないかなぁと調べていたらですね、
mingeikan.or.jp
ここいつか行こうそうしよう。


で、大原美術館を見て回ってもちょっと時間が余ったので、美観地区を散歩してきました。
それについては、また別記事で。